ニュースレター

2014年 10月号 ハロウィーンパーティ報告

「NEWS LETTER」                                    
■ 手をつなぐ親の会ニュースレター ■                        
---------------------------------------------------------            
VOL.22 NO.199  OCTORBER, 2014                        
JSPACC C/O LTSC 231 E. 3rd ST. Los Angeles, CA 90013        
Phone:(213)473-1602(LTSC) FAX(213)473-1601(LTSC)         
Web Site: http://www.jspacc.org                        
e-mail: info@jspacc.org                                
---------------------------------------------------------     

●《南加日系婦人会より3000ドルのご寄付を頂きました》●

会員の皆様、先日10月5日(日)リトル東京のDouble Tree by Hilton
にて南加日系婦人会110周年祝賀会が執り行われ会の代表として馬上さん
と池内の2人で出席させて頂きました。そして110周年記念助成金贈呈と
してJSPACCに3000ドルのご寄付を頂きました。南加日系婦人会には
5年前の105周年の時にも3000ドルを頂いたので2回目です。参加されて
いる方々から2回も頂いたとは素晴らしい事ですねと言って頂いたので
引き続きJSPACCの活動が認めてもらえたのだと本当に嬉しい気持ちに
なりました。ご寄付を頂いた事を心より感謝いたします。

祝賀会も本当に素晴らしく、在ロサンゼルス日本国総領事堀之内総領事
を初め、日系社会の各代表の方が大勢出席されていました。
その方々の前で寄付を贈呈して頂いた事、JSPACCの事を説明して
下さった事は私達の事を知ってもらえる大きな機会だと実感しました。

この寄付を頂くにあたりJSPACCの活動目的を改めて考えたのですが、
活動目的は20年前と同じ「障がいを取り巻くアメリカの法律やシステム、
常識の違いを日本語で学びつつ、精神的にも支えあう事で各親の自立を
サポートしていく事」だと確認しそれを引き続き実践して行きたいと
思い、例会やセミナーの充実、各小部会、シブリング会、Buddy Program、
成人部、Miracle Kids(芸術部)の活動をもっと活発にしていきたいと
強く思いました。

そして大きな目的である社会への啓蒙活動も引き続き力を注いでいき
たいと思います。多文化社会であるアメリカにおいてマイノリティー
である私達日本語を話す日本人ましてや障がいを持つ子供達はごく少数
ですが子供達、そのファミリーの存在をアピールしていく事。日系
コミュニティーをはじめ、地域に根付いた活動を続け、色々な団体、
コミュニティーと横のつながりを持ち「手をつないでいきたい」と
思っております。

頂いた3000ドルのご寄付はこれらの活動に有意義に使わせて頂きたいと
思います。

(報告:池内)

---------------------------------------------------------  

《目次》

1.   10月例会のお知らせ
2.   11月例会のお知らせ
3.   シブリング会主催ハロウィン親子仮装パーティーのお知らせ
4.   Buddy Programパンプキンパッチツアーのお知らせ
5.   Miracle Kids アートワークショップのお知らせ
6.   9月例会報告
7.   成人部よりお知らせ
8.   Buddy Program参加者募集のお知らせ
9.   ”専門家に聞きました”からのお知らせ
10.  図書部よりお知らせ
11.  シブリング会便り
12.  シブリング会会員募集のお知らせ
13.  新会員のご紹介
14.  今後の予定

********************************************************** 
1. ●《10月例会のお知らせ》●   

☆☆☆10月例会☆☆☆ <北部東部小部会担当>

日時:2014年10月18日(土)10:00am-12:00pm

場所:立正佼成会(Rissho Kosei-kai Buddhist Center of Los Angeles)
2707 East First Street, Los Angeles CA 90033, USA

トピック:「リージョナルセンターについてのBasicセミナー」

スピーカー:Edward Perez氏 
Lantrman Regional Center Family Support 
Specialist ゲスト:Melinda Sullivan さん 
Lanterman Regioal Center エグゼクティブ・ディレクター 

10月例会は、Lanterman Regional Centerから
Family Support SpecialistのEdward Perez氏を
お迎えして、Regional CenterについてのBasicセミナーを
開催します。セミナーでは、Regional Centerの
成り立ちの経緯やどんなサービスが提供されているかなど
についてお話くださいます。質疑応答の時間も取りますので、
リージョナルセンターやサービスについての質問等がある方は
チャンスです!
リージョナルセンターシステムについての事前質問も受け付けます。 
また、当日はLanterman Regional Centerから新しく
エグゼクティブ・ディレクターに就任されたMelinda 
Sullivanさんが親の会を表敬訪問されご挨拶頂く予定です。
皆様どうぞご参加ください!! 

※ハンドアウトの用意がありますので、参加希望の方は、JSPACC
ML「10月例会のお知らせ」にご返信ください。どうぞ宜しく
お願いします。

※事前質問は、JSPACC ML「10月例会のお知らせ」に返信、
又は、ロジャース sanaerogers@hotmail.comまでご連絡ください。
宜しくお願いします。

(報告:ロジャース)

**********************************************************  
2. ●《11月例会のお知らせ》●   

日時 :2014年11月15日(土曜日) 10:00~12:00

場所:立正佼成会(Rissho Kosei-kai Buddhist Center of Los Angeles)
   2707 East First Street, Los Angeles, CA 90033, U.S.A

11月の例会は、日本から1年間の予定でUCLAに研究留学されている
太田先生にスピーカーとしてお話しして頂きたいと思います。

プロフィール
平成15年に奈良県立医科大学を卒業後、奈良県立医科大学で研修を
行い、その後は東大阪市療育センターに勤務し、主に就学前の知的
障害や自閉症を中心とした発達障害の医療や療育に関わった。平成
19年からは大阪市中央児童相談所に勤務し、被虐待児のこころのケア、
不登校や非行といった思春期のこころの問題、就学後に明らかになって
くるADHDや高機能自閉症などのいわゆる軽度発達障害のこころの相談
などを行った。
平成20年以降は、奈良県立医科大学附属病院の精神科において児童・
思春期外来を担当し、子どもの精神医療に従事。現在、奈良県立医科
大学 精神医学講座助教であり、今年9月からUCLAセメル神経科学・
人間行動学研究所に研究留学中(1年間の予定)である。

内容に関しては後日JSPACC MLに出させて頂きます。

(報告:池内)

**********************************************************
3. ●《シブリング会主催ハロウィン親子仮装パーティーのお知らせ》●   

すでにMLにて皆様にお知らせ済みですが、ハロウィーンパーティーが
10月19日(日)に立正佼成会にて行なわれます。
参加費は1家族 $5.00で、ポトラックの品を1品持参お願いします。

今年は皆さんのアートを募集しています!
タイトルは”ハロウィン” おばけやパンプキン、魔女などを題材とした
絵やその他アート作品を募集しています。画用紙のサイズも色も自由です。
当日壁に展示をさせて頂きます。
事前に小部会か例会にお持ちいただくか当日立正佼成会にお持ち下さい。
参加者の中から優秀作品には素敵な商品を用意しています。

急遽、受付開始時間を11時に早め、ご希望のお子さんには、パーティー
当日にもアート作品を作れるテーブルを用意する事に決定しました。 
既にアートを持参して頂いたお子さんも参加可能です。

もちろん、仮装コンテストも例年同様、盛大に行います。
パーティーに参加ご希望の方は参加者全員のお名前とお子様の年齢、
仮装のテーマ、コンテスト時のBGM曲のリクエスをお知らせ下さい。
コスチュームとBGM を当日までサプライズにしたい方は
MLではなく直接saepon114@gmail.com野嶋までお知らせください。

当日は、メディアの方も来られる予定になっています。
被写体になりたくない方は、映らないように後方にお席を用意させて
いただきますので、あらかじめご連絡下さい。

皆でパーティーを盛り上げましょう!
ご参加のメールお待ちしております。

(報告:真野)

**********************************************************
4. ●《Buddy Programパンプキンパッチツアーのお知らせ》●   

今年は田中ファーム様のご厚意でRising Stars Buddy Programに協力を
頂き、パンプキンパッチ・ツアーに無料でご招待です。
このツアーは、ワゴンに乗り、広大な30エーカーを駆け巡るツアーです。
途中で新鮮な野菜を摘んだり、トウモロコシ畑の迷路に立ち寄ったり、
山羊やアルパカのいるPetting Zoo等、大人も子供も楽しむことが
出来ます。最後にお子様一人につき一つのパンプキンもお持ち帰り
出来ます。
自然と触れ合いながら、楽しみましょう。

日時:10月12日(日)
集合時間:1:00 PM
場所:田中ファーム
住所:5380 University Dr, Irvine, CA 92612

☆注意事項

・服装・靴

長ズボンをはいてきて下さい。靴は先の開いているサンダルやハイヒール
は禁止です。運動靴、または、指の隠れている汚れてもよいものをはいて
きて下さい。
農場ですので、砂や泥、岩等があります。

・安全の為、ペットやワゴンの入場は禁止しています。

・摘んだ野菜を持って帰る為のビニール袋をご用意ください。

・マーカーをご用意ください。パンプキンの底や上記のビニール袋に
名前を書く為です。

・公共の飲み水はありませんので、ご自分で用意されるか、1本$1.50
で販売もしています。

(報告:尾崎)

**********************************************************  
5.●《Miracle Kids アートワークショップのお知らせ》●   

Miracle Kids部よりアートワークショップのお知らせです。
11月15日の例会時にチャイルドケアルームにて、チャイルドケア利用の
お子さんを対象にアートワークショップを行います。
ボランティア会員でMiracle Kids部部員でもある入佐理恵子さんが
「でんでん太鼓を作ろう」をリードして下さいます。
このアートワークショップ参加募集は11月のチャイルドケアルーム
利用のお知らせが出ましてから募集しますので、お待ち下さい。

その時に必要となるセロテープやTackyGlueのご寄付をお願いしたい
のですが、10月18日の例会に参加される方、又小部会参加時に役員に
お渡し頂けますと大変助かります。
どうぞよろしくお願いします。

(報告:アッシュモア)

**********************************************************  
6.●《9月例会報告》●   

<オレンジ小部会担当>

テーマ:教育療法とは

スピーカー:須藤陽子さん

(出席者)
中尾、野地、ハーダー、ガスコン、真野、ファン、熊本、アシュモア、
大北、ガーヴィー、鈴木、入佐、鈴木、趙、阿久津、松田、
ウィッシング、尾崎、柴原、小澤、ロジャース、吉山、ブロンデット、
磯崎、池内,播磨、堂面(敬称略)

1、教育療法士の紹介

須藤陽子, MA, ET/P
アメリカ教育療法士協会(AET)に所属する教育療法士
(Educational Therapist)。日本語と英語で基礎学習能力や
読み書きの指導、学習アセスメントを行う。

2、教育療法とは?

教育療法とは、特別なニーズを持った生徒のための個人学習指導
サービス。クライアントの学習面・非学習面・社会的心理面の状態を
総合的に分析して、個人に特化した指導を行う。それに対し、
家庭教師は学習面だけのサポートである場合が多い。
下記のようなお悩みを持った方が対象:
読み書き困難
第二言語で授業を受けている(ESL)
学習症・障害(LD)
自閉症スペクトラム(ASD)
注意欠如多動症・障害(ADHD)
整理整頓が困難
ギフテッド、ホームスクール
学業、成績不振
ディスレキシア

3、クライアントの年齢層

幼稚園児(キンダー)から大人まで

4、教育療法士と家庭教師の違い

教育療法士は学習症・障害およびその他の学習困難に関して広範囲な
トレーニングを受けており、アセスメントを通して、基礎学習能力を
伸ばすことを目標に指導を行う。家庭教師は、テストや特定の教科を
集中的に指導する場合が多い。

5、教育療法士や家庭教師を選ぶ時のアドバイス

教育療法士や家庭教師を選ぶ時に、注目すべき点
学歴、経験、トレーニング等
AETなどの専門協会のメンバーシップ、資格の有無
子供の将来を含め、長い視野で考えているかどうか
なぜ今その指導をしているか明確に説明できるか
指導方法を柔軟に変えることができるか
子供の性格と相性が良いかどうか

6、様々な学習スタイル

人それぞれ得意な学習方法と苦手な学習方法がある。ほとんどの場合、
複数に当てはまる場合が多い。クライアントの得意な学習方法を見つけ、
指導を行う。
Visual
Musical/Auditory
Verbal
Physical/Kinesthetic
Logical/Mathematical
Social
Solitary

7、アセスメントツール

アセスメントには公式・非公式があるが、用途や目的によって使い
分けると良い。例えば、公式な書類の場合は、公式アセスメントを
利用した方が良いが、子供の特性を理解するためだけであれば、
非公式なアセスメントを利用した方が良い場合がある。教育療法士の
ほとんどは、学校やクリニックに属さず、プライベートで行っている
ため、フレキシブルに対応しやすい。

8、アセスメントに使用される情報

総合的に正確なアセスメントを行うためには、テスト結果や成績だけ
でなく、クライアントの健康状態、学校生活の様子、家族や担任から
のコメント、行動観察などの情報も併せて分析する必要がある。単純に
スコアだけを見てしまうと、本来の学習困難の理由がわからない場合が
多い。

9、アセスメント結果を分類する場合の一例(プロファイリング)

アセスメント結果から、生徒の学習困難の理由を大きく分類する方法
の一例として下記のようなものがある。ただし、下記はあくまで一例
なので、すべてのアセスメントで下記のように分類するわけではない。
また障害名、診断などとは異なる。

Slow Leaner  学習内容やスキルの取得に時間がかかる、他の生徒より
反復が必要
Specific Language Impairment  言語理解に関連する困難
Phonological reading disorder  言語の音と文字の関連性を理解する
ことが困難
Nonverbal learning disorder  非言語の困難、算数や図形の理解が
難しい場合が多い
Graphomotor underproduction 手先の不器用さによる困難
(作文などに影響)
Inconsistent success with splinter skills 得意分野は
長けているが、アップダウンが激しい
ADHD combined type ADHDの大半数、Inattentive/Hyperの
両面を持つ
ADHD inattentive type 注意散漫、空想をしてしまいがち
Compulsive underproduction  完璧主義、こだわりが強いために
学習の邪魔になる

ケーススタディー

・仮名「ダニエル君」小学校1年生
・Woodcock-Johnson III Test of Achievementのスコアから
 推測できる事をデモンストレーション
・アセスメント結果を読む時は実際のテストの形式や回答方法、
 テストをした人からのコメントを考慮
・一つのテストではなく、複数のテストを併せて分析するとより正確
--------------------------------------

ちなみに、こちらのクライアントさんは、サンプルなので
須藤さんが実際にアセスメントを行った方ではなく、
アセスメントの教材に例として挙げられているものです。

教育療法士による主な指導分野

1, Reading 
2, Oral Language
3, Math
4, Written Language
5, Organizational Skills

1, Reading
Decoding 解読、文字を見て音に変換するスキル
Vocabulary 語彙、ボキャブラリー、単語の意味
Fluency 流暢さ、すらすら読む力
Background Knowledge 文章背景の把握、一般教養の知識など
Reading Strategies (Predict, Visualize, Infer,
Evaluateなどのスキルが関連する)

2, Written
Grammar 文法
Spelling スペリング
Punctuation 句読点、句読法
Structure 文や文章の構成
Expression 自分の考えを言葉で表現する力
Writing Strategies (Plan, Draft, Edit, Proofreadなど
のスキルが関連する)

3, Vocabulary
ボキャブラリーは、単に単語をスペルできる、英語の単語を日本語に
翻訳できる、などではなく、それぞれの単語が持つ意味やニュアンス、
印象などを理解する事が大切。「Discussed」, 「Argued」など似た
ような意味の単語であっても、微妙に使い方が異なり、読み手に与える
印象も異なることを理解する。文章読解の上でも必要になる。

同音異義語、異音同義語
Context Clues 文章の中に隠されているヒントから内容の理解をする、
推論する
Word analysis 単語をPrefix, Root, Suffixに分け、それぞれが
持つ意味をヒントに知らない単語の意味を予測する、またスペルなど
にも役立つ
Graphic Organizer: Word Web 他の単語や概念との関連性視覚化した
もの。作文にも使える。
Graphic Organizer: Frayer Model それぞれの特徴を表にして
比較しやすくしたもの。
Graphic Organizer: Semantic Feature Analysis 複数のものと
複数の特徴を表にしてチェックマークをつけたもの。Frayer Model
よりも比較対象が多い場合に使う。
単語の成り立ちや、様々な文章の中で単語が使用されている例に触れて
分析する

4, Math
算数は指導内容によって大きく異なるので一例だけ紹介。学年によって
教わる内容が異なるが、算数の基礎となる考え方や、高学年になっても
必要となるスキルを集中的に教える。

Fact Family – 4 + 3 = 7 / 7 – 3 = 4 など足し算、引き算で
数字が入れ替わる組み合わせのこと。これを理解していると暗算が
速くなる。
文章題で足し算、引き算、掛け算、割り算の判断をするためのキーワード

5, Organization Skill 
時間管理方法、タスクの優先順位、宿題や課題を整理して準備する方法、
計画する力などを指導。

家庭でできること

子供の学習環境を整える(勉強部屋、筆記用具、机の広さ・高さなど)
子供が学校で何を勉強しているか知り、普段の生活に取り入れる
(分数の場合、ピザを食べる時にさりげなく分数を取り入れる、など)
ボードゲーム、カードゲーム(微細運動、 ソーシャルスキルの練習も
できる)
本を音読する(親が子供のために読む、年上の兄弟が年下のために読む
など)
様々なジャンルの本を読む(小説、サイエンス、ニュース、百科事典など)
読んだ本について話す(登場人物の気持ちを考えるなど)
1ヶ月に1回は図書館や本屋に連れて行く、親も読書する姿勢や習慣を
見せる 
美術館、博物館、動物園に連れて行く(一般教養を伸ばす)
家族旅行やキャンプ、BBQなどのイベントは子供も入れて一緒に計画する
(所要時間や予算、段取りなどについて考える機会を与える)
メディアフリーの時間、曜日などを作り、家族全員で実践する
買い物や家事をする機会を与える

Q&A 
事前に提出された質問や会場で尋ねられた質問とそれに対する須藤先生
の回答

Q: 教育療法を行う頻度は大体どのくらいか。
A: 指導内容や目標、目標を達成するまでの時間などによって大きく
異なる。通常は週に1~3回くらいが目安だが、夏休みなどに集中的に
行う場合もある。

Q: 今指導をしてもらっている家庭教師に教育療法のコーチしてもらう
ことは可能か。
A: 事前に教育療法士がアセスメントを行い、子供の苦手分野と得意分野
を認識して、指導内容を決める事はできる。ただし、通常は子供の学習姿
勢や問題を解く時のプロセスなども観察・分析しながら教育療法を行うた
め、指導内容や指導方法をフレキシブルに変更して対応する事が難しい。

Q: 読解力を伸ばす方法を教えてほしい。(10歳)
A: 読解力やリーディングの指導は別途プレゼンテーション中に説明済。
子供がつまづいているポイントを見つけ、読解の助けになるスキルを
教えてあげると良い。

Q: 子供がLDを持っているが、今のところはあまり問題がないように
見える。今問題がなくても、学年が上がるにつれて問題が出てくるもの
なのか?
A: 低学年のうちは努力や経験などで補える場合が多いが、高学年に
なり、課題の量も増え、授業のペースが速くなると追いつかなくなる
場合がある。環境や個人差によっても大きく異なる。いずれにしても
低学年のうちにしっかり基礎学習能力と学習習慣をつけておくことを
お勧め。

Q: 学校のIEPの目標が子供に適切かどうか、判断してもらうことは可能か。
A: 学校で行ったアセスメントとは別に、学習のアセスメントを行う事は
可能。その際に教育療法士からの推薦はできるが、学校がそれをどこまで
受け入れるかは疑問。「親からのリクエスト」として個人的に「○○に
ついて集中的に指導をして欲しい」などと伝える事はできる。学校では
対応できる範囲の限界があるので、学校での指導内容・目標とは別に
子供にとって必要なサポートを理解し、学校外で足りない部分の指導を
補う事が理想的。

Q: 両親が日本人で子供がバイリンガルの場合、どちらの言語を優先
すべきか。
A: 言語聴覚療法士など、言語の専門家に聞いてみた方が良い。ボキャ
ブラリーや言語の成り立ちなどを理解する上では、複数の言語を知って
いる事で比較や分析がしやすくなる場合もある。子供の家庭環境や将来
なども考慮して、個々に判断が必要。

Q: 教育療法のサービスに保険は適用できるか。
A: 医療の分野ではないため、保険ではカバーできない。100%自己負担
するケースが多い。一部、Culver Cityなどでは教育療法を取り入れている
学校もある。

(報告:小澤、播磨、堂面)

**********************************************************  
7. ●《成人部よりお知らせ》●   

○9月14日(日)第1回成人部交流会報告

20名の出席者が集まり、第1回成人部交流会を執り行いました。
参加者各自自己紹介から始まり、現時点で困っていることのシェア、
情報交換で貴重な2時間半を過ごすことになりました。
成人後の子供の人生をより幸せに豊かなものにしたい、との親の願いは
皆同じで、親同士の情報交換と親睦がさらに必要であることを
感じさせられた交流会でした。
今後、定期的に交流会を持ち、先輩方と情報をシェアし、グループ
ホーム、職業訓練校、ディプログラムなどの視察見学、コンサバター
シップ、IHSS、SSI、スペシャルニーズトラスト等の勉強会も活動に
盛り込んでみんなで作り上げていく部にしていきたいと思っております。
皆様のご協力をお願いいたします。

○10月成人部活動予定

10月21日成人部から松田真木綿さん、真野さん、吉山の3人で
EXCEPTIONAL MINDS( Non-Profit Vocational Center
 & Animation Studio for Young Adults on the Autism
Spectrum)の見学ツアーを予定。
ツアーレポートは後日報告させていただきます。専門学校の1つの
リソースになると思います。

EXCEPTIONAL MINDS 
http://www.exceptionalmindsstudio.org/index.html

○11月成人部活動予定

11月22日(土)10:00AM~12:00PM

SEEK Educationにて講習会。 www.seekeducation.org
住所:801 W San Bernardino Rd. Covina, CA 91722

グループホーム、Adult Day Program、Community Participate、
Self Determination、Customize Program、Supported 
Employment、Job Placementなどの成人後の情報についての
講習会を予定。SEEK Educationは、アダルトプログラムに近年力を
入れております。JSPACC成人部のために特別講習会を引き受けて
いただきました。内容の濃い勉強会になる事と思います。

通訳は矢吹華絵さんが担当して下さいます。皆様、ふるってご参加
ください。

仔細は後日お知らせいたします。質問等は吉山まで。

(報告:吉山るり子)

**********************************************************
 8. ●《Buddy Program参加者募集のお知らせ》●                

Buddy Programとは、Rising Stars Youth Leadership
Program(日系社会における将来のリーダーの育成を目的として、
2003年度より毎年秋~春に行われている高校生研修プログラム)を通して
得たリーダーシップスキルを使ってコミュニティーに貢献したいという
願いのもと、親の会のサポートをされている南カリフォルニア大学
Barbara Wheeler準教授の提案により、2008年1月から始まった
プログラムです。

イベントではJSPACCの子供達がRising Stars Youth
Leadership ProgramのAlumniのメンバーと一緒にペアを組み、
様々な活動に取り組むというものです。Alumniは高校生以上です。
このプログラムの1つパンプキンカービングではBuddyと一緒に
作品を作り、クリスマスショッピングでは、モールでお買い物を
しました。

親や兄弟、姉妹とは違う時間の過ごし方になり、子供さんが社会性を
学ぶいいチャンスになり、回を重ね、Buddyと会うことを楽しみに
してくれる子供さんも増えています。ぜひ参加ください。

このBuddy Programは事前申し込み登録が必要になります。
親御さんも必ず一緒にご参加下さい。

小学校3.4年生のお子さんから参加できます。

御質問がある方は役員または下記まで、ご連絡ください。

お申し込みは下記まで

吉山るり子 marie@tuba.ocn.ne.jp
尾崎よしみ umako1@verizon.net
南千草 yurichanminami373@yahoo.co.jp

**********************************************************  
9. ●《”専門家に聞きました”からのお知らせ》●   

会員の方からの質問へ、中溝朋子先生よりご回答いただきましたので
ご紹介させていただきます。

--------------------------------------------------- 
質問:

娘(自閉症)は21歳でSocial Skill Trainingからはもう追い
出されています。
でも気の知れた人たちと一緒の場面でも、私が忙しくて相手して
上げられないと、ポトラックの食事会などで真ん中にぽつんと座って
一人きりで、周りに出来てる数個の友達の中に入っていく事が出来ない
でいます。さびしくて私に声をかけてきたので気がつきました。RCに
相談してもSocial Skill Trainingは18歳までなので後はリビング
スキルのセラピーしかないと言われています。
個人の所でもどこでもSocial Skill のトレーニングが出来るところや
機会があれば教えていただきたいのです。また娘のチューターへの
助言がありましたら、たとえばチューターや私がいけるトレーニングや
クラスまたは本などについて、中溝先生や有馬先生にお聞きしたいと
思います。よろしくお願いいたします。

回答:

対人関係・コミュニケーションは、同じ人が相手だったとしても、毎回
その場面によって少しずつ状況が変わってくるので、教えることが
非常に難しい分野になりますね。
おおまかな「一般的ルール」を教えていくのも大切ですが、実生活に
おいての実際の場面を捉えて、ひとつずつ教えていくのが、長い目で
見ると近道になるのではないかと思います。 ですから、全くの他人
よりも、親御さんや、状況をよく把握していらっしゃるチューターの
方がお子さんに教えていくほうが、より効果的ではないかと思います。

1.事前に予習をする。
お友達と会う機会があったら、その前に、相手にどうやって近づくのが
ふさわしいか、どういうフレーズを使って声をかけるか、など、必要と
思われる項目を教えておきます。 お子さんの機能レベルによっては、
ソーシャルストーリーを使うのもひとつの方法です(下記参照)。

2.実際にその場面が起きたところで、直接教える。
実際に輪に入れずにとまどっているところで、どうすればいいかを
考えさせる・選択肢を与えて選ばせる・モデルを与えて真似させる、
などの方法で、適切な近づき方や声のかけ方など、必要な項目を
教えます。 

3.事後、復習をする。
輪に入れなかった、という場面があったとき、家に帰ってから、
「あの場面ではどうすればよかったか」を考えさせ、ロールプレイ
などで練習をし、次回に備えます。 もし、お友達やその親御さん
から許可をいただけるようであれば、その場面を携帯電話などで
動画に撮っておき、それを使うことができれば、お子さんにとって
より理解しやすいかもしれません。
個人的にトレーニングができるところは把握しておらず、申し訳ない
のですが・・・

REGIONAL CENTER では、LIVING SKILL THERAPY の
一環として、「COMMUNICATION」「SOCIAL INTERACTION」
のような分野をターゲットにしているものをオファーしていない
でしょうか?
リソースとしては、一般的なものになってしまいますが、MICHELLE 
GARCIA WINNER というスピーチセラピストがやっている
「SOCIAL THINKING」が非常に有名です。 
お子さんの年齢や機能レベルによって、いろいろな本やワークブックが
出版されており、保護者向けのセミナーもあります。 ちょっと前に、
日本でも講演会を行なったそうです。
http://www.socialthinking.com/

また、ソーシャル・ストーリーを作る場合は、CAROL GREY の本が
有名です。
The Social Story Book, Revised and Expanded 10th
Anniversary Edition (2010) Carol Gray
日本語版も出ています。
ソーシャルストーリーブック入門・文例集 改訂版 
(2010) キャロル・グレイ 大阪自閉症研究会

このお子さんの場合は、「周りのお友達の輪の中にうまく入れず、
寂しくて親御さんに声をかけてきた」とのことですので、周りの
お友達に興味があり、その中に入りたい、という意思が既にあります
から入っていくタイミングやテクニックを教えていく必要がある、
ということになりますね。 (この興味や意思がないお子さんの場合
は、そこから教えていく必要がありますので)
お子さんの行動を外から見ていると、「何でこんな簡単なことが
できないんだろう」「ちょっと声をかければいいだけのことなのに」
と思うことも多いかと思いますが、本人にとってはそこがとても難しい、
ということが多いですし、だからこそ、ひとつずつ教えていき、それを
徐々に汎化させていく、というステップを踏む必要があるかと思います。
言い換えれば、そのステップを踏んでいけば、徐々にできることが
多くなっていくかと思います。
最初に書いたように、対人関係は、相手によって、また、同じ相手でも
場面によって、さまざまな要素が絡んで少しずつ状況が変わるため、
なかなか汎化が難しく、進歩が見えにくいことも多いかと思いますが、
めげずに地道な努力を積み重ねていただきたいと思います。 
がんばって下さい。

-----------------------------------

児童精神科医師でいらっしゃる根來秀樹先生のご厚意により、
2007年より始まりました"根來先生の相談室"に、更なる
専門家会員の先生に加わって頂き、2010年より"専門家に
聞きました"というコーナーが新設されました。 

このコーナーでは、現在4名の専門家会員の先生方に、
質問の回答をしていただいております。 

過去の質問・回答、そして注意事項等がJSPACCのホームページに
まとめられていますので、是非ご覧ください。 

全ての質問は、コーナー担当役員を通して匿名にて各専門家の
先生方に送られます。またその回答は、JSPACCのホームページ
及びニュースレターにて掲載させていただきます。 

下記に先生方のプロフィールをご紹介させて頂きます。 

* 根來秀樹(ねごろ ひでき)先生
奈良教育大学教育学部障害児医学分野准教授
児童精神科医 医学博士 

* 渡部匡隆(わたなべ まさたか)先生
横浜国立大学 教育人間科学部 特別支援教育講座 教授

* 有馬肇子(ありま はつこ)先生
ソーシャルワーカー、サイコセラピスト

* 中溝(武笠)朋子(なかみぞ むかさ ともこ)先生
言語療法士(Speech Language Pathologist)
専門家の先生方へのご質問、そしてこのコーナーに関するお問い合わせ等、
ございましたら、どうぞお知らせください。
是非、このコーナーをご活用いただければと思います。
皆さんからのご質問をお待ちしております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
コーナー担当役員:磯崎葉子 kyisozaki@gmail.com

********************************************************** 
10.  ●《図書部よりお知らせ》●   

JSPACC図書部では図書や例会DVDの貸し出しをしています。
本棚の中、1番左に貸出ノートを設置していますので、必要事項を記入
して下さい。
10月例会後、又は、例会前に気軽にお立ち寄り下さい。

尚、本の寄付も随時受け付けていますので、
感激した本、他の方々に読んでほしい本等をお持ち下さい。
よろしくお願い致します。
図書のリストは以下のサイトを参照してください。
http://jspacclibrary.jigsy.com/
尚、例会DVDのリストは以下のサイトをご覧下さい。
http://jspacclibrary.jigsy.com/dvd

多くの方々の利用をお待ちしています。

(担当:尾崎よしみ)

**********************************************************  
11. ●《シブリング会便り》●   

上にも記事が載っていますが、今月はシブリング会主催ハロウィン

親子仮装パーティーがあります。シブリング達は今年もまた新しい
企画を考えました。親達の仮装も本気ですので、是非ご参加下さい。

今月は池内がシブリング会の思い出を書いてみました。
書いてみたら忘れていた事も思い出し懐かしかったし
今のシブリング会はまとまってきたな。これからもますます活発に
活動して欲しいと思いました。

------------------------------------------------------------------------

2009年JSPACC15周年記念のMiraclecatsに長男と次男が参加させて
もらった時は他の小部会の方を知らなかったので、シブリング達の
事も知りませんでした。キャッツの練習は時には土日の朝から夕方まで
あったので、そのうちにシブリング達にも仲間意識が生まれました。
せっかく仲間意識が生まれたのと、シブリング達も色々悩みがあると
言う事がわかり、JSPACCでシブリング会を作ったらいいのではないかと
言う事で発足の時から関わらせて頂きました。長男は障がいのある次男と
同じ学校になった事がなく、次男の障がいは重いので割と受け入れて
いたのではないかと思うのですが、同じ学校に通っていたシブリング達は
いじめやからかいにあっていやな思いをしていたと言う事を私も
知ることになりました。障がいの世界を知っているシブリング達と
世間の人たちの架け橋になってほしい、リーダーシップを育てたいと
言う思いで作った会なのですが、最初はミーティングで喧嘩が始まったり
「シブリング会と言うのは親が作った会なので、自分達で作りたかった訳
ではない。」とシブリング会がなかなか上手く行かないときもありました。
毎年ハロウィンパーティーやバレンタイン企画、その年によっては
シブリングの為のセミナーを開き、その都度企画ミーティング、
反省会を続けて行く事により、シブリング自身の自信に繋がったのではないかと
思います。またシブリング達も年々成長しているので、近頃やっと
まとまりが出てきたような気もします。
最初の頃は親が色々決めていたのですが、この頃ではシブリング達が
したいように企画し、その中でちょっと無理ではないかと言う事を
指摘するだけで大概の企画はシブリング達が決められるようになりました。
それに親は「毎年恒例の企画」にしたらと言うのですが、シブリング達は
「毎年恒例だと面白くない~」と毎年違った企画を考えるので
若者は素晴らしいと関心しています。

長男は今日本の大学に通っているので、JSPACCのシブリング会は
離れてしまったのですが、ここのシブリング会の事は忘れないで
いて欲しいし、日本でも兄弟姉妹の会などに関わって欲しいと思います。
そして障がい児者と世間の人たちの架け橋、アメリカと日本の
架け橋になってくれたらと思います。

(報告:池内)

**********************************************************
12.●《シブリング会会員募集のお知らせ》●   

JSPACCシブリング会では、会員を大々的に募集しております。
ハンデイのある兄弟姉妹を持つシブリングたちのサポート、
親睦を目的として結成しました。
色々な活動を通して友情も芽生えています。
シブリングたちがJSPACCからの将来のライジングスターとして
健やかに活躍できるように、彼らの心身のサポートを心より願って
おります。
質問、参加したい方は、下記のメンバーに連絡をお願いします。

オレンジ地区:  池内和世 kazuyikeuc394you@yahoo.co.jp
サウスベイ地区: 真野光 hikarimano@yahoo.com
        野嶋祐子 saepon114@gmail.com
東部北部地区:  尾崎よしみ umako@hotmail.com 
        吉山るり子marie@tuba.ocn.ne.jp    

**********************************************************  
13. ●《新会員のご紹介》●   

斎藤里華 (Saito Rika)さん  Pasadena, CA

********************************************************** 
14. ●《今後の予定》●   

10月12日 Buddy Programパンプキンパッチツアー
10月18日 月例会
10月19日 シブリング会 ハロウィーンパーティー
11月15日 月例会
12月7日 JSPACCホリデーパーティー
Ken Miller recreation Center
3341 Torrance Blvd, Torrance CA 90503

※日時、内容が変更する場合もございますので、
JSPACC ML等でご確認ください。

**********************************************************  
編集:渡邉由美
2014-12-16 | Posted in ニュースレター