ニュースレター
2014年 1月号 20周年記念イベント各演目のリーダーから報告
■ 手をつなぐ親の会ニュースレター ■
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VOL.21 NO.191 JANUARY, 2014
JSPACC C/O LTSC 231 E. 3rd ST. Los Angeles, CA 90013
Phone:(213)473-1602(LTSC) FAX(213)473-1601(LTSC)
Web Site: http://www.jspacc.org
e-mail: info@jspacc.org
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~~ ~20周年記念イベント各演目のリーダーから報告~~~
●●●《Miracle Kids部アート作品展 作品募集》●●●
3月2日(日)の El Camino College Marsee Auditoriumで20周年記念
イベントがありますが、会場のロビーでアート作品展をいたします。
そこにお子さんの書いた絵を出展しませんか?
今回の舞台に参加なさらないお子さんには是非出展していただきたいと願っています。
すでに書いてある絵でも、またこれから描く絵でも何でも結構です。テーマも問いません。
《応募方法》
*応募対象 :JSPACC会員のお子さん
*絵は2Dならどんな素材にどんな方法で描いた物でも構いませんが、お一人一点と
させて頂きます。(以前行った”墨と遊ぼう”の作品も含みます。但し11月のワーク
ショップで作った海のアート作品は別にShowWindowに飾りますので含みません)
*作品は本人が写した写真でもOKです。
*作品はポスターボードに貼りますので、8×11.5インチ以内の紙に貼ってあるもので、
軽いものならば多少膨らみがあってもOKです。
*作品は厚紙等で折れないように保護してクリアフォルダーや大きい封筒等に入れて、
小部会役員かMK部員(Rogers早苗、藤田まゆみ、幾度麻紀、Ashmore広美)にお渡し下さい。
*作品には作品のタイトル、お子さんの名前(ローマ字でフルネーム)と写真(4×6)を
添えて下さい。
*作品のサイズ:81/2 × 11 かそれ以下
*参加費:無料
*応募締切:1月26日(日)
*返却方法:後日例会時か小部会時にお返しします。
*作品を出す予定の方は作品数把握のため、1月24日(金)までにメールでご連絡ください。
*ご質問はMiracleKids部ロジャース早苗まで sanaerogers@hotmail.com
お子様のアート作品展とイベントを是非見に来て下さいね。
MiracleKids部
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●●●《太鼓クラス報告》●●●
JSPACC会員の皆様、イベントの演目の「きずな太鼓」は毎週皆真剣に練習に
励んでおります。初めの頃は戸惑っていた子供達でしたが、井上由紀先生の
素晴らしいご指導で子供達みんなの太鼓に向かう姿勢が変わってきたのを実感
しています。「やるぞ!」みたいなきりっとした表情になったり、いきいきとした
うれしい表情を見せたり、本番を考えると親としてはどきどきですが、当日はっぴ
を着て凛とした表情の子供達に声援お願いします!
「きずな太鼓」一同
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●●●《Miraclecats 報告》●●●
Miraclecats2014の出演者、19匹は純代先生、しのぶ先生
指導の元、毎週一生懸命練習しています。
12月23日にはクリスマス会兼親睦会で絆を深めました。
それぞれの衣装も決まり、プログラム用写真撮影も
終わり、先生方、子供達もだんだん本気モードに
なってきました!
Miraclecats2014 池内
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●●●《リトミック&Wheelersクラス報告》●●●
1月に入り教室ではなくホールを使い、先生と子供達とシブリングのみで練習が始まりました。
1曲づつ時間をかけて練習をしています。
今月は衣装合わせや写真撮りもあり、本番に向け準備も着々と進んでいます。
リトミック&wheelers 野嶋
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●●●《ヒップホップダンスクラス報告》●●●
年が明け、あっという間に1月も中旬、2月もすぐそこです。
月2日の本番まで、週一回の練習が毎回毎回大事になってきました。
ロビン先生のアイデアで衣装の準備も楽しみながら進んでおります!どうぞお楽しみに。
ヒップホップダンスクラス
“Stars Shine Crew”リーダー
馬上、野口
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《目次》
1 1月定例会はお休みです。
2.2月例会のお知らせ
3. Buddy Programミニチュアゴルフのお知らせ
4.Buddy Program参加者募集のお知らせ
5.シブリング会会員募集のお知らせ
6.専門家に聞きました
7.図書部よりお知らせ
8.チャイルドケア部よりお知らせ
9.我が家からのお知らせ
10.今後の予定
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1. ●《1月定例会》●
1月定例会はお休みです。
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2. ●《2月例会のお知らせ》●
<役員会主催>
2月の月例会はLearning Disabilityの専門家Richard Lavoieの
”How difficult can this be?”(全編70分)ビデオの上映会を
します。
このビデオは実際に教育現場にかかわる教師達、また親たちへの
セミナーを収録したもので、LDの子供たちが毎日学校でどのような
場面に直面しているか、先生たちがどのように子供たちを扱って
いるかということを赤裸々に感じさせて、意識改革をした話題作です。
このビデオの一部がyoutubeで視聴可能ですので、ご参考までに
リンクを貼り付けさせていただきます。
http://www.youtube.com/watch?v=O4f4rX0XEBA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Xx5kr2T7rK8
Richard LavoieのHP http://www.ricklavoie.com/bio.html
なおこのビデオは英語です。(日本語字幕、日本語通訳は
ありません。)
後日JSPACC MLにあらすじを載せますので、読まれてから
ご参加下さい。
参加人数を把握したいと思いますので、参加ご希望の方は
JSPACC MLにご連絡下さい。
よろしくお願いします。
役員会
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3.●《Buddy Programミニチュアゴルフのお知らせ》●
Buddy Programミニチュアゴルフのお知らせです
*このゴルフはBuddy Program以外の方も参加できます。
Buddyとのプレーはありませんが、ご家族一緒に参加できます。
詳細はまたJSPACC ML でお知らせします。
日時: 3月1日(土)
午前9時~午後2時
場所: Camelot Golfland
3200 E. Carpenter Ave.
Anaheim, CA 92806
会費:Before Feb 1; Adults $15; Children $10
After Feb 1; Adults $20; Children $15
Lunch only: $10
Rising Stars のAlumniと一緒にミニチュアゴルフを楽しみ、
ゴルフの後は、ランチ・ゲーム・ラッフルを行う盛りだくさんの企画です。
このゴルフは、Rising Stars のファンドレイジングイベントですので、
皆さん是非ご参加下さい。近年親御さんもミニチュアゴルフを
楽しみファンドレイジングにも協力しています。
この企画に参加を希望される方は、事前に申し込みが必要です。
お申し込みのお問い合わせは、
池内 kazuyikeuc394you@yahoo.co.jp
南 yurichanminami373@yahoo.co.jp
までお願い致します。
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4. ●《Buddy Program 参加者募集のお知らせ》●
Buddy Programとは、Rising Stars Youth Leadership
Program(日系社会における将来のリーダーの育成を目的として、
2003年度より毎年秋~春に行われている高校生研修プログラム)
を通して得たリーダーシップスキルを使ってコミュニティーに
貢献したいという願いのもと、親の会のサポートをされている
南カリフォルニア大学Barbara Wheeler準教授の提案により、
2008年1月から始まったプログラムです。
イベントではJSPACCの子供達がRising Stars Youth Leadership
ProgramのAlumniのメンバーと一緒にペアを組み、様々な活動に
取り組むというものです。Alumniは高校生以上です。
このプログラムの1つパンプキンカービングではBuddyと一緒に
作品を作り、クリスマスショッピングでは、モールで
お買い物をしました。
親や兄弟、姉妹とは違う時間の過ごし方になり、子供さんが
社会性を学ぶいいチャンスになり、回を重ね、Buddyと会うこと
を楽しみにしてくれる子供さんも増えています。ぜひ参加ください。
このBuddy Programは事前申し込み登録が必要になります。
親御さんも必ず一緒にご参加下さい。
小学校3.4年生のお子さんから参加できます。
御質問がある方は役員または下記まで、ご連絡ください。
お申し込みは下記まで
池内和世 kazuyikeuc394you@yahoo.co.jp
南千草 yurichanminami373@yahoo.co.jp
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5.●《シブリング会会員募集のお知らせ》●
JSPACCシブリング会では、会員を大々的に募集しております。
ハンデイのある兄弟姉妹を持つシブリングたちのサポート、
親睦を目的として結成しました。
色々な活動を通して友情も芽生えています。
シブリングたちがJSPACCからの将来のライジングスターとして
健やかに活躍できるように、彼らの心身のサポートを心より願って
おります。質問、参加したい方は、下記のメンバーに連絡をお願いします。
オレンジ地区:池内和世 kazuyikeuc394you@yahoo.co.jp
サウスベイ地区:真野光 hikarimano@yahoo.com
野嶋祐子 saepon114@gmail.com
東部北部地区:尾崎よしみ umako@hotmail.com
吉山るり子 marie@tuba.ocn.ne.jp
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6.●《”専門家に聞きました”からのお知らせ》●
☆皆様からの質問を募集しています☆
このコーナーでは、現在下記の4名の専門家会員の先生方に
質問の回答をして頂いています。
根來秀樹(ねごろ ひでき)先生
奈良教育大学教育学部障害児医学分野准教授
児童精神科医 医学博士
渡部匡隆(わたなべまさたか)先生
横浜国立大学 教育人間科学部 特別支援教育講座 教授
有馬肇子(ありま はつこ)先生
ソーシャルワーカー、サイコセラピスト
中溝(武笠)朋子(なかみぞ
むかさともこ)先生言語療法士(Speech Language Pathologist)
先生方の詳しいプロフィール、注意事項につきましては、
是非ホームページをご覧ください。
専門家の先生方へのご質問、そしてこのコーナーに関する
お問い合わせは、各地域小部会役員または磯崎までお願いいたします。
コーナー担当:磯崎葉子 kyisozaki@gmail.com
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7.●《図書部よりお知らせ》●
11月より本棚を移動しています。チャイルドケアールームを入って
左側になりました。
例会時はいつでも貸し出しをしています。
例会後、又は、例会前に気軽にお立ち寄り下さい。
尚、本の寄付も随時受け付けていますので、よろしくお願い致します。
図書のリストは以下のサイトを参照してください。
http://jspacclibrary.jigsy.com/
尚、例会DVDのリストは以下のサイトをご覧下さい。
http://jspacclibrary.jigsy.com/dvd
(報告:尾崎よしみ)
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8.●《チャイルドケア部よりお知らせ》●
昨年は、チャイルドケアをご利用の際には、
皆様のご理解、ご協力をありがとうございました。
2014年も、チャイルドケア部一丸となり、
安全で利用しやすいチャイルドケアを目指して、
頑張りたいと思っております。
ここにチャイルドケア規約を掲載いたしますので、
2月例会よりスタートされるチャイルドケアに向けて、
今一度ご確認をお願い致します。
なお、質問等ございましたら、
サウスベイ、ウエスト部会ー阿久津さん
オレンジ部会ーウィッシングさん
北部東部部会ー尾崎さん、松田さん、
と、それぞれ小部会にはチャイルドケア部員が配属されています。
または、リーダー野口まで、いつでもご連絡ください。
tm_brian615@yahoo.co.jp
よろしくお願い致します。
2013年度チャイルドケアー規約
1.お子様を預ける方は、10時月例会開始をスムーズに行うために、
午前9時30分から9時45分までのチェックインを厳守して頂きます。
2.お子様の担当ボランティアさんを確認し、直接、担当ボランティア
さんへお子様を受け渡し、例会終了後も直接引き取って頂きます。
3.チャイルドケアにお持ち頂く持ち物には、必ずお子様の名前を記入し、
担当ボランティアさんに渡して頂きます。
4.アレルギーのあるお子様がいらっしゃるので、チャイルドケアー
ルーム内での飲み物以外の飲食、持ち込みは原則禁止とします。
(午後の役員会時チャイルドケアのスナックタイムを除く)
5.お子様をお預かりする際、維持費として1家族3ドルを頂きます。
維持費はチャイルドケアルームの備品購入などに使わせて頂きます。
6.事前に申し込みのないお子様は、原則として当日参加はお断りします。
ただし、お預かりのお子様が定員に満たなくボランテイアさんの人数が足り
ている場合のみ、親同伴で入っていただく事やお子様だけでもお預かりする
可能性はあります。親同伴でボランティアさんのヘルプが必要ない場合も
維持費3ドルはお支払い頂きます。
7.定員に達している場合、親同伴でも当日参加はお断りします。
(部屋の過密度により、てんかん、又は問題行動などの症状が出るお子様もいる為)
8.病気の症状(咳、熱、鼻水、結膜炎などあらゆる感染症)がある
お子様の参加はお断りします。
9.部屋に入る際には受付に用意してあるHand Sanitizerで消毒、もしくは
手を洗ってからの入室を守って頂きます。
10.当日のお子様の問題行動(他の子供や物品への危害、奇声や騒音を出す行動、
泣きやまない等)が続き、ボランティアさんが対応できない場合は、途中で親に
ピックアップしていただく可能性もある事を了承して頂きます。
11.ボランティアさんの集まり状況により、責任持ってお子様をお預り出来ない
と判断した場合、参加をお断りする可能性もある事を了承して頂きます。
12.お子様をお預かりする際、必ずインフォメーションシートと写真を提出して
いただき、そのアップデートは1年ごとにして頂きます。写真は、ボランティアさん
に分かりやすい様に、親と一緒に写った物1枚とします。
13.初回参加の際、必ず免責シートにサインをして1年ごとに確認して頂きます。
14.無断写真撮影、個人を特定できる内容をブログ、フェイスブック等に掲載
する事は禁止しております。
15.例会終了後は、速やかにお子様をピックアップして頂きます。
2013年7月
(報告、野口)
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9.●《我が家からのお知らせ》●
松下です。娘ニコルの乗馬セラピーが羅府新報の新年号に
掲載されました。
http://www.rafu.com/2014/01/%e3%82%b7%e3%82%a7%e3%82%a4%e3%
83%bb%e3%82%bb%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%ef%bc%9a%e
9%a6%ac%e3%81%a8%e8%a7%a6%e3%82%8c%e5%90%88%e3%81%84
%e3%80%80%e5%bf%83%e8%ba%ab%e7%99%92%e3%81%99/
シェイ・センター:馬と触れ合い 心身癒す
世話される側からする側へ
先天性染色体異常松下ニコールちゃん乗馬療法で自立心学ぶ
犬や猫、イルカといった情緒水準の高い動物と触れ合うことにより、
血圧やストレスレベルが下がり不安や警戒心が軽減、自信が持て人との交流を
図れるようになるとして、医療や教育、福祉などの現場で積極的に活用されて
いる動物介在療法(Animal Assisted Therapy)。午年の今年は、その大きな体、
優しい目、温かい体から伝わる馬の癒し「乗馬療法」について紹介します。
【取材・写真=中村良子】
土曜日の朝、母親からヘルメットを手渡され、手話で「行くよ」と声をかけ
られると、満面の笑みを見せる松下ニコールちゃん(11)。そのヘルメットが、
楽しみにしている乗馬の時間を意味することをよく分かっている。
ニューポートビーチ在住の松下ビンセント、ゆき代さん夫妻の長女ニコールちゃんは、
生まれつき聴力と言語、知的障害がある。誕生から7年という長い間、正式な
病名が分からず、数えきれないほどの検査を繰り返す不安な年月を過ごした。
そして2009年、遺伝子科の医師からついに病名が判明したことを知らされる。
それは、生まれつき染色体の7番が欠失する「染色体7q欠損症」。世界で50症例
ほどしかないという非常にまれな染色体異常だ。
発育に遅れもあり、理学療法、作業療法、言語療法を受ける中で、松下夫妻は
「同じセラピーでも、生き物と触れ合う楽しさを味わってもらえたら」との願いから、
2010年、医師の推薦状をもとにニコールちゃんに乗馬療法を始めた。
「障害持つわが子のために」
親心から始まったセンター
ロサンゼルス・ダウンタウンから南へ約55マイル、オレンジ郡南部に位置する
自然豊かなサンワンカピストラーノに、馬との触れ合いを通じ、障害を持った人
の心や体に癒しを提供する「シェイ・センター」(26284 Oso
Road)がある。
先天性脳性まひの息子マイケルさんのセラピーのため、ルーイス夫妻とソーシャル
ワーカーで女性騎手のフラン・ジョスウィックさんにより1978年に設立された。
「障害のある息子が少しでもよくなるために」と、子を愛する親心から始まったセラ
ピーは現在、年間650人以上もの障害者に癒しと笑顔、そして大きな希望をもたら
している。
同センターに通う障害者は2歳から80歳と幅広く、自閉症がもっとも多い。
続いて脳性まひ、発育遅延、ダウン症、外傷性脳損傷など、病名は60種類以上といい、
年間800人以上にも上るボランティアに支えられている。
PATHインターナショナル(前北米障害者乗馬協会)認定の同センターのプログ
ラムには、乗馬療法とヒポセラピーがある。乗馬療法は認定されたイストラクターの
指導の下、障害に応じて身体、認知、感覚のリハビリを行い、一方ヒポセラピーは、
免許を持つ理学療法士、作業療法士、言語療法士が馬を使用し一対一で行う。
シェイ・センターには現在、セラピー用に訓練されたクォーター馬をはじめとする
15種計20頭のセラピー馬がおり、そのすべてが同センターの活動に賛同した団体など
からの寄付だ。中でもミニチュアポニーの「ベニー」は人気者。
大きな馬が怖い子どもたちや、身体的に馬に乗ることができない障害者に優しく歩み
寄り、車いすでベニーを散歩するセラピーもある。
同センターは西海岸で唯一、障害者のためのフィットネスセンターも完備。
インストラクターの養成教育も行う。同センターで認定されたインストラクターは
各州および日本を含む海外15カ国で活躍しており、施設、プログラムともに全米
トップ5に入る機関へと成長した。
運営予算は年間240万ドルで、その半数以上はファンドレイジングなどのドネー
ションでまかなわれる。残りは助成金や受講料で、寄付された1ドルのうち74セント
がセラピープログラムに充てられている。
乗馬療法
身体、心理、社会的効果
障害者にスポーツ体験提供
ニコールちゃんのセラピーは、厩舎内でのニンジン切りから始まる。ボランティア
の助けを借りながら、ひとつ1つカットしていく。クラス終了後にお世話になった馬
にあげるためだが、これもセラピーの一環。自立心を高めるとともに、アクティビ
ティーを通じ社会性を身に付ける。
発育の遅れなどから、乗馬療法に通い始めのころは歩く時のバランスが悪く、
きちんと馬の上に乗ることができなかった。作業療法士の指導の下、馬の背に乗り
ながら腹部を鍛え、馬上でバランスをとる練習を繰り返した。
犬やイルカなど、さまざまな動物介在療法がある中、乗馬療法の特徴は、「背に
乗ることができる」「運動機能の訓練ができる」など、医療、教育、スポーツ、
レクリエーションの4要素がそろっていること。
歩く時の馬の背の動きは、「上下」「左右」「前後」と人の歩行と同じ三次元の動き
をするため、歩く馬の背に座っているだけで歩行時と同じく腹筋と背筋を鍛えることが
できる。
45分のセッション中、障害者の腰は馬の背で約3000回回転するといわれ、一般の
歩行訓練に比べ効率的。
また、知的、身体能力が限られる障害者の多くは、一般のスポーツに参加できる機会
が少ない。しかし乗馬療法はそういった障害者に「スポーツ体験」を提供でき、セラピー
でありながら乗馬という「趣味」を楽しむことができ、子どもたちの自尊心向上を助ける
効果もある。
さらに、馬に「進め」や「止まれ」などの指示を出す訓練を通じ、障害者は情報を
頭で処理する能力を鍛えられるほか、コミュニケーション能力を高め、人や馬との触
れ合いの中で社会性を身に付けることができる。
能力を最大限に引き出し日々の生活に役立てる
2010年から約2年間にわたりヒポセラピーで作業療法を続けたニコールちゃん。
馬上でバランスを鍛え、姿勢もよくなった。体の筋力がついたおかげで、歩行時の
バランスもよくなった。
2年前にヒポセラピーを卒業し、現在は乗馬療法のグループセッションに通う。
ニコールちゃんのクラスを担当するインストラクターのアシュリー・ハサウェイ
さんは、「ニコールを含め、生徒たちには乗馬療法で得た(運動やコミュニケーション)
能力を、それぞれの生活に役立ててもらい、彼らの自立を手助けすることがわれわれの使命」という。
ニコールちゃんはこの1年間で、「インストラクターの指示に従う」「与えられた
アクティビティーをやり遂げる」など、コミュニケーション能力が大きく上達した。
言葉を発せられないニコールちゃんのために、「GO」と口で言う代わりに馬の首筋を
ポンポンと叩くことが「進め」のサイン。なかなかできなかったこの合図も、また「止まれ」
で手綱を手前に引く動作も、今では馬の横にいる助手の助けを借りずに行うことができる。
4年前に乗馬療法を始めてから愛娘の成長を見守ってきた母ゆき代さん。「今までは、
ニコールが楽しみながらできることがほとんどなかった。でも乗馬療法に出会ってから
笑顔をよく見るようになり、本人が楽しんでいるのが伝わってくる。乗馬療法はきちんと
したセラピーでありながら、楽しみながら没頭でき、本人にとっては趣味のようになって
いてとても嬉しい」乗馬療法を始めたばかりのころは、体の大きな馬を怖がることもあったが、
今では率先してニンジンを与えられるようになった。「世話をされるばかりだった彼女に、
初めて世話をする相手ができた。これを機に、少しずつ自立心が芽生えてきたように思う」
松下さん夫妻にとって、ニコールちゃんのために馬を飼うことが将来の夢だ。
松下夫妻
「親がしっかりしなければ」先輩から学んだ教訓生かす
誕生の翌日に行われた新生児検査で、聴力に異常が確認された。半年後の再検査で医師
から正式に「難聴です」との診断を受けた時は、人生のどん底に突き落とされた気持ちだった。
健康に生まれた松下夫妻には、音が聞こえない世界がまったく想像できなかった。
無音の世界を考えるだけで、とてつもない不安に襲われる。「この先、この子は一体どうなるのか…」。
まだ何も知らないわが子を見つめ、将来を悲観する日々が続いた。
正式に病名が判明するまでの7年間、さまざまな症状がニコールちゃんに襲いかかる。中でも
大変だったのは原因不明の発作。生後4カ月のころだった。お風呂から出た後、着替えをさせて
いた時に突然ニコールちゃんの体が硬直し、嘔吐を繰り返した。緊急病院へ搬送されたが原因は
分からず「様子を見ましょう」と帰された。
その後、脳波記録(EGG)やMRIで検査をしたが、結局発作は4年間続いた。現在でも原因は
分からぬままだ。
発育にも遅れがあり、一時は車いすも覚悟した。歩き出したのは6歳だった。一方で、病名は
分からないまま。その間、神経科、遺伝子科、整形・形成外科に通い続けた。
09年に病名が判明した時、医師から「病気は突発性。誰にも防げないことだった」と言われ、
ゆき代さんは、出産以来ずっと心の中にあった罪悪感がすーっと薄れていくのを感じた。
「長いこと、妊娠中に私が何かしてしまったのが原因で娘に影響が出てしまったと思っていた。
取り返しの付かないことをしてしまったと、ずっと自分を責めていた」
障害の有無にかかわらず、わが子の幸せを願う一方で、「障害児の親」になった自分の精神面
との戦いもあったと振り返る。「自分が心の奥底に持っていた障害児に対する偏見から、最初は
なかなかニコールのことを周りの人に打ち明けられなかった」
気持ちに変化がみられたのは、障害児を育てる親のための日本語支援グループ「手をつなぐ親の会」
(JSPACC)に入会し、前向きに、そして力強くわが子を育てる先輩たちに
出会ってからだ。
「子どものために、自分たちがしっかりしなければ」と学び、今はニコールちゃんの自立に向け、
最低限の意思疎通とトイレなど身の回りのことができるようになるよう、自宅でも楽しくトレーニ
ングをしている。
「障害があっても、彼女にもできることが必ずあるはず。馬の力を借りて、限られた能力を
最大限に生かすことができれば嬉しい」
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10. ● 《今後の予定》●
2月15日 月例会
3月1日 Buddy Programミニチュアゴルフ
3月2日 JSPACC20周年記念イベント
4月19日 月例会
5月17日 月例会
6月21日 月例会
7月5日 年次総会
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編集:渡邉由美